秋山レシオの使い方

ここでは、秋山レシオを相場分析に使用するための方法を説明します。 まずは秋山レシオの基本的な使い方について説明し、次に具体例を示し、最後に、当サイトのグラフの利用法について説明します。

基本的な使い方

相場が下の図のローソク足のように動いてきたとします。普通なら、前回の保合い(A)のあたりまで下げてきましたので、 保合いのサポートラインをロスカットラインにして買いを入れたいところですが、どう判断するのが適当でしょうか?

秋山レシオを分析に用いるには、まずはパラメータを調節し、過去の一定期間の上下動にフィットする秋山レシオを求めます。 このとき、長期的な動きを分析したいならば長期の動きに、短期の動きを分析したいならば短期の動きに合わせることになります。 ここでは、AからBへの上昇過程およびBでの天井がフィットするように決めます。 その求まった秋山レシオを図の赤線とします。

秋山レシオが+100%あたりまで上昇し、その後、秋山レシオが最高値の半分を切ると、一応は天井が確認できたということで売り転換とみなせます。 その後、秋山レシオが0%に達した時点が下げ相場の中間地点となります。上の例では、下げ相場の中間地点は過ぎたものの、 まだ底入れするには日柄が足りないということがわかります。

秋山レシオによって示される相場の中間地点は、値幅ではなく日柄の中間地点となります。 この性質を利用して、底入れの大よその時期を予想することができます。 すなわち、秋山レシオが0%になってから底入れするまでは、 秋山レシオが最高値から0%まで下がるのにかかったのと同じくらいの時間が必要であるということです。

具体例

上で述べた日柄の法則は、外部要因の影響が無く、相場の自律的な運動だけを考えた場合に成り立つものであり、 実際の相場では時間とともにズレが生じていくので、もう少し臨機応変な対応が必要となります。 そこで、実際の相場を例にとり、秋山レシオの使い方を見てみることにしましょう。

この東京ゴムの値動きについて、チャートのAの時点で秋山レシオを考えるとしましょう。 このとき、その直前の天井と底にフィットするようなパラメータを探すと、N=75の秋山レシオが最も合うことがわかります (N=50の秋山レシオやN=100の秋山レシオと比較してみて下さい)。 そこで、ここからは赤い線で描かれたN=75の秋山レシオを見て行きます。

まず、Aの時点で秋山レシオが最高値から半分まで低下してきましたので、売り参入となります。 その後、秋山レシオは順調に下がり、Bの時点で売りポジションは仕切りになります。 大まかには日柄が合っていることと、秋山レシオが−100%以下にまで下げて水平から上向きになりつつあることなどが根拠となります。 次に、Cの時点で秋山レシオが最低値から半分まで上昇してきましたので、ここで買い参入となります。 しかし、秋山レシオはそこから横に寝てしまいます。こういう場合は、相場も秋山レシオも再び下値を取りに行く可能性がありますので、 ここは損切りとなります。その後、秋山レシオは再び上昇を開始し、Eの地点で再度、買い参入することになります。 一旦ダマシが入ったので日柄の判断が難しくなってしまいましたが、Fの時点で秋山レシオが+100%を超えて水平になったことなどを考え、 Fのあたりで買いは仕切りになります。

この説明では簡単のため、Aの時点でフィットさせた秋山レシオをそのままずっと用いましたが、実際には、 売買判断の基準となる秋山レシオは常に最適なものを選びます。 例えば、Dの時点ではN=75の秋山レシオは二番底を表現しておらず、もはやフィットしていませんので、 別のパラメータの秋山レシオを用いることになります。

当サイトのグラフの利用法

まずは、銘柄一覧から見たいグラフを選びます。 一つの銘柄あたり、グラフの表示期間が3ヶ月から5年まで5種類ありますので、順番に見ていきます。 大局的な流れから徐々に細かい流れを見たい人は長期から短期へ、 細かい動きから始めて徐々に大きな流れを見ていきたい人は短期から長期へと見ていきます(ここは好みの問題です)。

それぞれのグラフにおいて、「長期」や「短期」のボタンを押すか、リストから直接選択してNの値を変更し、 よくフィットする秋山レシオを選び、上で述べた使用法により相場を分析します。

グラフの上には転換価格が表示されますが、これは非常に重要です。 次営業日の終値が転換価格を上回れば、秋山レシオは上昇し、次営業日の終値が転換価格を下回れば、秋山レシオは下落します。 基本的に、秋山レシオが上昇しているときには売りは厳禁、秋山レシオが下落しているときには買いは厳禁ですので、 転換価格を損切りラインとして用いることができます。

グラフの表示期間を変えながらフィットする秋山レシオを選ぶと、 長期と短期で状況判断が異なってくることも考えられます。 この場合、目先は短期の秋山レシオに左右されることが多いのですが、短期になるほどダマシも多くなるので、 どれを重視するかは個人の判断ということになります。